こんにちはヤマピーブラックです。

先日タイに行ってきましたが、めちゃめちゃ発展してますね。高速道路が張り巡らされていて、鉄道もどんどん延伸しているそうです。
暖かくて物価も安いですし、本気で移住もありかと思った次第です。

さて、今回は『大君の通貨』という本をご紹介します。

徳川幕府の崩壊は、薩長の武力のみにあらず、もう一つの大きな要因は通貨の流出にあった。

なかなかショッキングな見出しですね。

全体を通して言葉は平易ですが、読みやすい本とは言えません。ただ、最後にどんでん返しというか、種明かしが待っているので、少し我慢して最後まで読み切るとおもしろいです。

ちなみにこの本を手に取った理由は、お金の過去の歴史を知りたいと思ったからです。
最近お金の勉強をしているのですが、何か物事を知るためにはその歴史、ルーツを知ることが王道で、実は一番手っ取り早いのではと思っています。

為替は超重要である

本書の舞台は江戸時代。登場人物は英外交官のオールコック、そして米国のハリスです。
ペリーが黒船を率いてやってきて、その後に来て日本と条約交わした人物ですね。

そのハリスが実は為替を利用して大儲けしていたらしいです。これは知らなかった。

アービトラージという言葉をご存知でしょうか。裁定取引と日本語では訳され、要は通貨の交換レートの違いを使って儲けるやり方です。

現代だと、FXや仮想通貨取引で行うことができます。例えば円ドルの交換レートって、取引所とかによって微妙に異なるんですよね。その差額を利用して稼ぐやり方です。(実際はわずかしか変わらず、手数料なども加味すると儲けるのは難しいですが)。

ハリスは江戸時代にこれをやり、一儲けしたらしいです。

具体的には、日本と世界で、金銀の交換レートの差を利用した形です。

STARTは4ドルだったのに、1周するとなんと3倍の12ドルになっています!!これをやりまくるだけで資産が3倍に増えますね。

正確には金銀の交換レートがおかしいのではなく、1ドルがなぜか3イチブ銀貨という日本の銀貨に交換できることがおかしいのです。

で、ハリスを初めとした外国人がこれをやりまくった結果、日本から金が大量流出したそうです。黄金の国ジパングも形無しです…。

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為替の影響でインフレが始まる

先程の1ドルがなぜ3イチブなのか?という疑問ですが、これは実は銀の量、重さで交換するとこのレートになるからです。
例えば1ドル銀貨は3gの銀が含まれていて、1イチブには1gの銀が含まれているとします。

そうなると、必然的に1ドルは3イチブですね。まあ確かに、と思います。

ただこのままだと金が流出し続けるので、結局日本は金銀の交換レートを変更します。

これで丁度合いますね。めでたしめでたし。
とはいかないんです…(u_u)

日本だけで見てみてください。

これすごい違いですね!今まで銀貨4枚で金1枚だったのに、今度からは12枚出さないと金がもらえない。

ここで日本はかなりのインフレに見舞われたらしいです。

インフレの影響を受けるのは誰か

それは武士です。要は固定給の人はインフレに弱いんですね。

商人はインフレだと売るものの値段も上がり、収入も上がるのでまあ対応できます。
しかし、当時の武士は固定給であり、物価上昇に耐えられません。従って、外国人殺傷事件などに繋がっていったらしいです。

ちょっと難しい内容ですが、通貨のとこを知らないと痛い目をみます。

ところで、現在私たちが使っているお金はお札ですね。(小銭は別として)要はただの紙きれです。
紙きれなのに価値があるんですよ。凄いですね。

実は、江戸時代のイチブ銀貨もこれに似たような存在だったというのです。詳しくは本書をご覧下さい。

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まとめ

この後日本は明治維新へと動いていきます。

でももしかしたら、このインフレがなかったら、明治維新は起きなかったのかもしれない。

歴史にもしもはないですが、通貨の勉強をしながら歴史に思いをはせられる。そんなに1冊でした。

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