こんにちはヤマピーブラックです。今回は『メモの魔力』(前田裕二著)のレビュー2回目です。
前回はメモをとる方法について見てきました。中でも『転用』が重要でしたね。
しかし、メモのとり方をマスターしただけでは『魔法の杖』の入手方法がわかっただけで、倒すべき魔王がどこにいるのかわからない状態です。
※前回記事はこちら
今回は『自己分析』によって自分の『人生のコンパス』を見つけ、その方向に向かって航海に出発しよう!という話です。
メモ①:『自己分析』は就活の時だけ必要か?
『自己分析』とか人生の『軸』というワードを聞くと、大半の方が思い出すのは『就活』だと思います。就職先を決めるのに、自己分析をして自分の軸を見つけることが就活の通過儀礼のようになっています。
これはこれで自己分析のよい機会だと思いますが、残念ながら少し就活ワード化してしまっていると思います。つまり、就活前に単に自己分析というタスクをやればOKというだけのものであり、なおかつ就活の時だけやるものでそれ以降は必要ないものだということです。少しチープな捉え方をされていると言ってもいいかもしれません。
しかし、『メモの魔力』をきっかけに、もう一度この『自己分析』や『軸』という言葉に息を吹き込み、復活させてみてはいかがでしょうか。就活中ではない方にこそ、今一度自己分析してみることをオススメします。
そして前述の『転用』を自分が目指すべき方向に向けて活用し、すべてのことを『自分事』にしてみる。メモはこうやって使うものだったんですね。
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メモ②:『自己分析』は設問に答えればOK?
じゃあ「どうやって自己分析すればいいの?」という話になるわけですが、実はここからが前田裕二さんの『メモの魔力』の真骨頂です。本書では、自己分析には『抽象化』が最も重要であると述べられています。これは私が就活をしている時には知らなかった新しい概念だと思います。
というのも、就活中に自己分析をやったけれども、あまり意味がなかったという人も多いのではないかと思います。
実は私もその1人です。
『絶対内定』という就活生の間では有名な自己分析の本があります。その本を元にノート1冊分くらいの自己分析をしたのですが、正直なところあまり覚えていません。
設問がたくさん用意されていて、ひたすら答えを書いていったのですが、それだけで終わっていました。
それに対して、『メモの魔力』では設問に答えた後に、さらにそれを抽象化することが重要だと説いています。
以下の動画をご覧頂ければ詳しくわかると思います。
なるほど!抽象化をして、自分は本当に「何が好きなのか」「何を求めているのか」、内なる潜在意識を探しにいかなくてはならないんですね。確かに「努力が報われることが楽しい」と「両親に喜んでもらえることがうれしい」では全然違いますね。
『自己分析』を意味のあるものにするためには、『抽象化』という魔法が必要だったというわけです。
メモ③:誰にだって「ストーリー」がある
『メモの魔力』には自己分析のための設問1000問が載っています。もうちょっとライトにやりたいという人向けには、『ライフチャート』と呼ばれる曲線を書くことがおすすめされています。
本書によると、比較的重要なのは『中学生より前』の時代らしいです。
著者の前田裕二さんは8歳の時に母親を亡くされ、大変苦労されたようです。
それに対し私はというと、正直なところ、これといって不自由なく育ち、大きな苦労もせずにここまでやってきたと思います。私の人生で人に語れるような特筆すべきエピソードはないように思います。
しかし、本書にはこう書いてありました。
誰にだって「ストーリー」がある
これまでの人生の苦労の大きさを他人と比較しても意味がないですし、いまさらどうしようもありません。
大事なことは、自分のこれまでの人生の中から、自分にとって大切な、自分だけの軸を探し、その「ストーリー」を語れるようになることではないでしょうか。自分自身が定めた方向に向かっていけばいいのです。
『誰にだって「ストーリー」がある』という言葉は、前田裕二さんからのそんなメッセージであると私は受け取りました。
さて、ここまででおおよそ本の内容は網羅してきましたが、この『メモの魔力』という本にはまだ別の魅力があると思います。
それは、『インタラクティブな本である』ことと、『前田裕二さんの包み隠さない姿勢』です。
次回はその点について書きたいと思います。
第3回はこちら▼
▼前田裕二さんの前著『人生の勝算』のレビューです。『メモの魔力』より先に読んでも後に読んでもどちらもいいですね!▼