美容室で雑誌を見ていたら、なぜかこの本が目に留まり、購入。
オシャレ系の本というか、
「フランス人は10着しか服を持たない」
と同じ系統の本だと思って買った。
だが、いい意味で期待を裏切られた形だ。
非常に考えさせられ、心打たれる本だった。
今年にNo1の本になるかも(まだ3月だけれども)。
本書は著者の金井真紀さんとフランス在住のジャーナリストである広岡さんが、おじさんと会話し、その内容をまとめたものだ。
よくもまあ、おじさんインタビューだけで本を出版したものだと思いつつ、
おじさんインタビューだけでここまでの作品を作れるものだと感心もしている。
散文であり、端的にまとめられないので、心に残った言葉だけ並べてみる。
とにかく調和が大事。対立からはなにも生まれない。
「落ち込んだときは、旅行すると元気が出るよ。小さい子供の相手をするのもいい。」
「はつらつといられることがいちばん大事だって思うんだ。そのためには、自分自身を知らないとね
「この国に来て、わたしは学問の意味を知りました。なぜ学ぶのか。博士にはるためではない。世界を理解するため、自分で考えるためです。」
要はどのおじさんも、あなたの大事にしていることは?あなたにとって幸福とは?という問いにすぐ返答をくれるのだ。
彼らは自分の哲学を持っており、その哲学を自らの存在や振る舞いによって表現しているのだろう。
日本でそんなことを考えている人は少ないと思う。
バカロレアの影響なのか、文化の影響なのか、おじさんだからなのか。
※バカロレアは日本でいうセンター試験。科目の一つに哲学があり、時間は4時間。
https://matome.naver.jp/odai/2143523017686905301
ちなみに、本書のコラムでフランスの選挙集会について触れられていた。
フランスといえば昨年、39歳という若さでマクロン大統領が就任して話題になった。
(2017年 ロイター/Christian Hartmann)
以下は大統領選挙中のマクロン氏の集会の様子。
その集会は、巨大なパーティー会場のようだった。
ノリのいい音楽が流れて、若い支持者たちが踊っている。会場の大型ビジョンにカップルが次々と映し出されて、映ったふたりは照れながらもキスをする。「ヒューヒュー」と囃し立てる会場。レズビアンのカップルも映し出されて、ちゃんとチューして、ちゃんとヒューヒューされている。字幕と手話通訳あり。
マクロン本人の演説もノリノリ
(中略)
「ラ・マルセイエーズ」がはじまって、その輪は徐々に広がり、最後は壇上のマクロン含めて、会場全体で大合唱。
私は選挙の集会には行ったことがない。
政治に無関心ってわけでもないが、集会に行く気はあまりしない。
大抵の日本の若者はそうだろう。
もっと選挙が愉快なものであればいいのになぁ、といつも思うのだが。
※後編は近日UP予定