本屋ブーム
出版不況だとか、若者が本を読まなくなったとか言われて久しい。
そんな中、韓国、ソウルでは今空前の本屋ブームだそうだ。
ただし、その本屋は「丸善」や「ジュンク堂」といった大型書店とは少々趣が異なるようだ。
“韓国、ソウルでは今空前の本屋ブームだ。「独立書店」と呼ばれる、個人で始める書店が週に1軒は生まれている。その多くは、1980年代生まれの若者が始めたものである。”
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新しい本屋のカタチ
本書には29の本屋、ないし編集者等が紹介されている。
これらの本屋を一言で説明するのは不可能だ。というのも、各本屋で特色がありすぎる。
例えば、猫の本屋「シュレーディンガー」。猫の本専門店だ。
物理の量子力学の説明でよく使われる「シュレーディンガーの猫」をご存知だろうか。
そのまんまのネーミングだ。
キム・ミジョンさんがこの小さな本屋をオープンしたのは、2016年の6月9日。聞けばその前は大学院生をやっていて、2年ほど休んだ後にいきなり本屋を始めたという。
うーん、韓国の若者は勢いがあるようだ。
「本屋 探求生活」。この本屋は「無人経営」が基本だそうだ。
どいういうこと?と思うが、会員制の図書館のような感じだ。
「…普段は人が来ても私がいないことが多くて、みんな勝手に本を借りていく。そこにメモしておいてくれればいいの。あなたたちも借りていく?
うーん、韓国の若者はファンキーだ。
実は彼らは日本の本屋から学んでいた
こうして若者が本屋を立ち上げているのだが、日本の本屋巡りをしたという人が実に多い。
例えば「cow books」。こちらは中目黒にあり、松浦弥太郎がプロデュースしている本屋だ。
サイトを見ると、本屋、、、というかなんでも売っている。バッグとかズボンとか。
http://www.cowbooks.jp/
また、本書の著者でもある内沼晋太郎氏がプロデュースする本屋「B&B」。
なんとビールの飲める本屋である。
http://bookandbeer.com/
表層的な情報だけではなく、現地に足を運んで情報を得ることは現代においても有効な情報収集の手段である。
出版不況は事実かもしれないが、本というコンテンツ、本屋というコミュニティ、など別の形で捉えると、色々やれることはあるのかもしれない。
あとがきで内沼氏もこう述べている。
常時インターネットに接続され、検索エンジンを掌におさめ、あらゆるウェブサービスが自分にカスタマイズされるようになってからというもの、自分が関心のあるような情報は自然に入ってくるようになっているのだと、うっかり高を括っていた。そんなはずないのだ。行ってみたら、まるで世界線の違う平行世界がこんなに近くにあったのかというくらい、新鮮さのあまり軽くめまいがした。
内沼晋太郎氏の著書。本の未来を知りたいならこちらもおすすめ。