いま、中国のIT企業が凄い。その先頭を走っているのがアリババだ。世界の時価総額ランキングでfacebookに次いで6位につけている(2018年05月末時点)。
実にトヨタの約2.5倍の時価総額だ。

 

日本では、アップルのスティーブジョブズやfacebookのマークザッカーバーグの物語はよく知られている。
本書を読んで思ったのは、アリババの創業者ジャック・マーの物語はもっと知られるべきということだ。
 

今でこそ億万長者のジャックだが、なんと元は英語教師。その前は三輪自動車の運転手をやっていたこともある。
その成長の過程が、アリババのアメリカ人参謀であるポーター・エリスマンによって本書に記録されている。
勇気をくれる物語だし、純粋に読んでいておもしろい。エキサイティングだ。
 

とはいえ、アリババは日本人にとっては馴染みの薄い企業だ。皆さんはアリババが何の会社かご存知だろうか。
 

今では様々な事業を手掛けているが、アリババの中核事業はECだ。
ECは世界的にはアマゾンやヤフオク、イーベイなどが有名である。
ECと一口に言っても実は色々がある。アリババのEC事業は以下の3つに代表される。
・Alibaba.com:B2Bマーケットプレイス
・淘宝網(タオバオ):B2C、C2Cマーケットプレイス
・天猫(Tモール):B2Cマーケットプレイス(ブランド品等)
上流から下流まで、中国のオンラインショッピング業界全体を牛耳って成長してきたわけだ。
 

アリババが成功した秘訣。それは次の1文に集約されていると思う。

アリババがここまで発展できたのは、ひとえにジャックの志の高さと楽観的な性格のおかげだった。

 

EC業界の巨人であるイーベイとの戦いも余すことなく収録されている。
 

ちなみに、ジャックはソフトバンクの孫正義と関係が深い。
2000年に孫はアリババに20億円投資している。ジャックの目を見て投資を決めたそうだ。
その判断基準は意味不明だが、その20億円は今なんと5兆円ほどに大化けしている。
 

この成長物語はもっと注目されてよいと思う。