作者:山口周
出版社:光文社新書
発売日:2017/7/19

 

これは2017年NO1の本になるかも。

 

自分がいるITとコンサルティング業界に対するほとんど無意識な違和感、アートや教養を学ぶことの意義を上手に説明できないことへのもやもや。

それらを筋道立ててこうも鮮やかに文章にできることに驚き。

 

今の時代、ほとんどの上場企業がコンサルティング会社を利用しており、そこでは理論重視の経営が礼賛されている。

しかし一方で、一見”無駄”とも言える行為を続けている企業がクリエイティブであり、売上を上げているということは直感的に理解できるだろう。

 

本書によると、サイエンス(分析、論理、理性)重視の経営は不確実なVUCA(注)の世界には通用しなくなってきている。サイエンスで導かれた解はアカウンタブル、説明可能なので、コピー可能。差別化とならないのである。

注:VUCA:Volatility(不安定さ)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉

 

近年、世界のエリートがこぞって「美意識」を鍛えるためにアートスクールに通っているらしい。

 

私達も本書を読んで「美意識」を鍛える意味を正しく理解し、遅れをとることなく学習することが重要ですな。