この本は私の兄からの誕生日プレゼントとしてもらったもの。
私は社会人になってから年に1、2度の登山を細々と続けており、それもあってアウトドアの本を選んでくれたのだろう。

自分の興味のある分野でありつつも、人からもらう本は、いつもの自分とは違った視座を得られる貴重な体験。
 
さて、本書は私のようなミーハーな登山者ではなく、本物のプロが書いたアウトドア・エッセイ。
普通の社会人はいくらアウトドア好きでも、一人で野宿したり雪山に何日も入ったりはできないだろう。
その意味で、プロの文章を読みながら想像を膨らませ、大自然に思いを馳せることができる。
 

決定版が未だに見つからず、苦悩しているところなのだ

プロである著者はもちろん道具にこだわりがあるが、迷っている道具があるらしい。
機能的によければなんでもいいかというと、そういうわけではない。
これはアウトドアに限らず、仕事道具や服でも同じことが言える。
なんとなく馴染む、馴染まないがある気がする。
 

私がFredPerryというブランドのセーターをかれこれ8年くらい着ている。
しかも色違いで4着持っている。
機能性というより、なんとなく自分に合っている気がするからなのかもしれない。
 

キャンプの食事が楽しくなかったという経験はない。・・・腹と胸が幸福感でいっぱいになる

これはキャンプで食事をしたことがある方なら、全員が共感できることだろう。
最近読んだ落合陽一氏の『日本再興戦略』でも、幸福がステレオタイプになっているとの指摘があった。
ただ労働して金持ちになることより、幸福というものを再度見つめ直したほうがよいのかもしれない。
 
今年も自然の中でおいしい食事をいただき、幸福を味わおう。