こんにちはヤマピーブラックです。
私は美術館に行くのが好きなのですが、最近の東京の展覧会はどこも混んでいますね。少しゆっくり美術館鑑賞したいものです(・∀・)
さて、本書は経営における「アート」の必要性を説いたベストセラー本です。
「経営」に「アート」??
経営とアートってかなり対局にあるものに思われます。なぜなら、一般的な経営は数字を見ながら判断するものだからです。
しかし最近、世界の企業エリート達がロイヤルカレッジオブアートというイギリスの美術系の大学院で学んでいるという事実があります。
こういった事実を踏まえ、なぜ経営にアートが必要なのか?気になったので本書を購入しました。
「サイエンス」経営の限界
これまでの経営は「サイエンス」でした。
「コンサルティング業界」は日本でもメジャーになりました。コンサル出身の方が書いたビジネス本は本屋に腐るほどありますよね。
「サイエンス」のイメージとしては、コンサルタントがデータ、ファクトに基づき、フレームワークを使いながら分析して答えを導き出す感じです。
しかし、著者が指摘するには、正解がコモディティ化したと。つまり、これらのコンサルティングの方法論は既に確立されており、かつ誰にでも使えるようになったということです。
そうなると、「差別化」とはなりませんよね。皆かだいだい同じ方法で経営するわけなので。
なおかつ、世界が複雑化していくことにより、その方法論が正解とは限らなくなったと著者は指摘しています。限界がきたということですね。
VUCAな世界という言葉もあるそうです。
Volatility(変動性・不安定さ)Uncertainty(不確実性・不確定さ)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性・不明確さ)
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人類 総自己実現社会
マズローの欲求をご存知でしょうか。
マズローの欲求5段階説をこの上なく丁寧に解説する。あなたの欲求はどのレベル?
世界中がだんだん裕福になる、つまり衣食住に困らなくなるにつれ、人々が最終的に求めるのは自己実現の欲求です。
企業はそれに応える商品、サービスを提供しなければならない。
それができるのは「サイエンス」てはなく「アート」だということです。
なお、「サイエンス」を全く利用するなということではなく、最初に「アート」ありきで、その後に「サイエンス」が続くイメージです。「サイエンス」が「アート」を補完する、理由付けして論理的に説明できるようにする。
進化するテクノロジーと企業の倫理観
テクノロジーは急速に進歩しているのですが、それに伴うルール、法律や制度などは明らかに追いついていません。
ではルールが整備されていないから何をやってもいい、というわけではもちろんありません。自分達でやっていいことと悪いことを判断すべき、ということです。
そこで必要なのが「美意識」つまり「アート」だと著者は指摘しています。
Googleの「Don’t Be Evil」(邪悪にならない)というビジョンを引き合いに出し、企業に倫理が求められることを説いています。
しかし、残念ながら、このGoogleのビジョンは消えてしまいました。(2018年11月現在)
この不確実な世界で、AIを始めとするテクノロジーがますます台頭してくる中、「倫理」はどうなっていくのでしょうか。
企業に関わる全ての方に読んで頂きたい一冊です。
▼じゃあ「アート」を鍛えるためにどうすればいいの?という方には、同著者のこちらがおすすめです▼