1986年の人は一日平均、新聞約40部に相当する情報にさらされていた。それが2006年には、4倍以上の174部相当になった。

数字で見せられると、改めて情報化社会を実感させられる。

 

これだけ情報が溢れる時代において、自分のコンテンツを見てもらい、ファンになってもらうのは並大抵のことではない。
そこで「注目」を戦略的に操る必要がある。
それが本書の主題だ。
 

注目というと、いわゆる「釣り」などが有効な気がするが、そこは著者が注目の段階をしっかり定義してくれている。
点火(即時の注目)
藁火(短期の注目)
焚き火(長期の注目)
の3つだ。焚き火は、例えばアルバムを買ったりコンサートに行ったりすることである。
「釣り」では点火にすぎないであろう。
 

この3段階を華麗に乗り越えるため、著者は7つの武器を提供してくれている。
 

・自動トリガー…色やシンボルや音などの感覚的刺激を与え、無意識的な反応を引き起こして注目させる。
・フレーミング・トリガー…相手の世界観にしたがうか、それを覆すことによって注目させる。
・破壊トリガー…人々の期待をあえて裏切り、注目するものを変えさせる。
・報酬トリガー…内外からの報酬で人々のモチベーションを向上させる。
・評判トリガー…専門家、権威者、大衆の評価を用いて信頼性を高め、相手を魅了する。
・ミステリー・トリガー…謎や不確実性やサスペンスを作り出して、最後まで関心をつなぎ止める
・承認トリガー…自分を承認し、理解してくれる人には注目するものだ。そうして深い結びつきを育てる。

 

どれも重要であると思うのだが、現在、「承認トリガー」の重要性がさらに増しているように思われる。
facebookやインスタの「いいね」だ。
 

また、承認トリガーの例として、著者は「AKB48」を引き合いに出している。
最近オンラインサロンが盛んであるが、こういったファンコミュニティも承認トリガーに入りそうだ。
 

「アテンションの7つのトリガー」みたいな感じで、コンサルタントの間で定着するかも。